京都 浄瑠璃寺に宿る幸福と美の女神。日本における吉祥天の代表作
あらゆる願いを叶える福徳神 吉祥天
古代インド神話の富と幸運の女神が仏教に取り入れられた吉祥天。日本では平安時代、天下泰平、風雨順時、五穀成熟、兆民快楽(ちょうみんけらく)をもたらす本尊として広く信仰されました。
衆生のあらゆる願いを叶える宝珠を左手に掲げ、右手は願いを聞く与願印をつくります。若々しい体躯に美しい衣裳と装飾品をまとい、美と富の女神を体現します。
八百年の歴史伝える 細密現存仕様
モデルは京都 浄瑠璃寺の重要文化財 吉祥天立像。手のひらサイズで最大限の立体感を表現するため、瓔珞などの緻密なパーツすべてを単独で造形。細密現存仕様は褪色や汚れもそのまま再現し、鎌倉時代から現代まで八百余年の歴史を表現。しっとりと落ち着いた雰囲気をお楽しみいただけます.
制作は1212(建暦二)年とみられ、以降、秘仏として厨子に納められてきた浄瑠璃寺像。当時の彩色を今に残しながらも八百余年の時が随所に変化をもたらしており、確かな歴史を感じさせます。
新造形にあたり、イスムはこの経年変化を丁寧に再現。しっとり落ち着いた雰囲気となりました。